2015年4月

日本免疫毒性学会 事務局
大槻剛巳,幡山圭代
(川崎医科大学 衛生学)
 
吉備路から届ける日本免疫毒性学会の涼風
 日本免疫毒性学会会員の皆様,時々メーリングリストなどでアナウンスさせていただいております日本免疫毒性学会事務局を担当しております川崎医科大学衛生学の大槻ならびに実務を担当しております幡山です。

2007年度から自治医科大学の香山理事から引き継ぎまして,既に10年以上,皆様にご迷惑をかけながらも,事務局を担当しております。2007年度当時は,大沢基保先生が理事長をお務めでしたが,その後2008年度から澤田純一先生,そして2013年10月からは(途中から学会の業務年度を学術集が通常開催される9月末で区切りとすることになりましたので,10月から役員人事その他の業務については新年度と捉えることになりました。ただし,会計年度については,3月締めを継承しております)吉田貴彦先生が理事長に就かれ,事務局は三代に渡って,担当させていただいていることになります。

大きな学会ですと,会員管理などの学会事務については,業者さんへ委託していることが多いのですが,私たちの日本免疫毒性学会の規模ですと,勿論学会の運営経費の度合いにもよりますが,会員の中から事務担当者を選任して,多くはその会員の秘書さんなどが,事務を担当されることも多いです。ちなみに実務を担当しております川崎医科大学衛生学 幡山は,大学雇用の「研究補助員」という職員です。川崎医科大学は,通常の大学とは制度が異なっておりまして,各教授あるいは教室ごとに秘書さんが雇用されている訳ではなく,中央教員秘書室というのがあり,そこの職員が,教員全体の秘書業務を担当するということになっています。授業の資料,外来者との取次,学生などからの連絡,諸々・・本当にいろんなことが秘書室で担当されています。この仕組みになっているのは,実は川崎医科大学の特異性として,通常の大学ですと,ある講座にスクエアーが与えられ,その中に教授室や准教授室,教員のスペース,さらに実験系のスペースなどが配備されるのですが,川崎医科大学は,全ての実験スペースは研究センターのベンチを年度々々で使用登録をすることになっていて,そこで実験などをしています。教室単位は,それほど広くないスペースがあって,そこは教室所属の研究補助員さんが常駐することにはなります。
 全体では十分な実験が出来るほどのスペースではあります。そして教員は,まず教授については,大槻は「教授長屋」と呼んでいるのですが,廊下で繋がっている「別館」に教授の個室ばかりがアパートの様に並んでいるところがあって,基礎も臨床もごっちゃまぜで教授たちが生息しています。ちなみに大槻の居室のお向かいは解剖学の教授,お隣はリハビリテーション医学の教授,そのお隣は脳外科の教授といった具合です。そして准教授以下は,いわゆる職員室の様な,あるいは,企業のオフィスのようなところが,全体で6箇所ほどあって,そこに研修医1年目から准教授まで,全ての教室のメンバーが集まっています。基礎医学・社会医学系はさすがに臨床の先生方とミックスしている訳ではないのですが,それでも語学教室の教員から衛生学とか医用工学といううちの大学では「応用医学」として「基礎医学」や「臨床医学」と別枠になっている教室の教員までが,一つの大きな部屋に入っていて,まぁ,教室間でパーテーションやキャビネットなどで少し区切られている感はありますが,いわば大部屋です。なので,例えば,川崎医科大学衛生学でも抄読会などを開催するにも,大学内のカンファレンス室を,定時あるいは臨時で予約を入れて,使用することになっています。
そして,幡山の職種である「研究補助員」職は,大学の雇用者(最近の採用は,派遣雇用がほとんどですが)で,基礎・応用医学教室には2名,臨床の教室には1名が配備されています。研究補助員職は,どこかの教室にコミットされる訳ではなく,教室間で異動することもあり,実際に幡山も,総合臨床医学などの教室を経て,現在,衛生学に所属しているということです。ただし,定期的に異動が生じる訳ではなく,学内全体の事情や相性などでの異動ではありますが。そして,職種名でお分かりの様に「研究補助員」職は,研究の,つまり実験の補助をする役割なので,基本的には理系の大学学部を卒業されて実験系を経験された方が就いています。開学当初からこの体制で,基礎系では教員数を抑えるため(?)に,また教員は研究よりも教育を,といった姿勢が強い大学の風土があるため,補助員さんを2名配置して,研究を進めるようにといった意図,逆に臨床系は教育と診療を優先しなさい的なニュアンスが強かったので1名に抑えられているのだろうなぁと,理解しています。しかし,教室によっては,その教室の秘書さん的な仕事をお願いしたりしている状況にもあります。また,臨床の教室で企業さんからの研究委託費を多く獲得されてらっしゃる教室では,別途,テクニシャンを派遣雇用されたりということで研究を進められていて,大学配属の研究補助員さんは,かなり事務的な作業を優先されているところもあります。このあたりは,教授や教室の種々の仕事への取り組み具合によって,大学内でも種々異なっている部分が大きいのです。

ですので,現在,幡山は日本免疫毒性学会事務局の実務を担当しておりますが,大槻が事務局を担当するまでは,基本的に教室の実験の補助をずっとしてくれていて,しかし,最近は,特に実は大槻が2012年7月から日本衛生学会の機関誌編集委員長を請け負ってからは,日本免疫毒性学会事務局の仕事と,日本衛生学会編集事務部の仕事で,相当量,日々の業務が占められるようになっていて,かつ,教室として使用する研究費その他の会計の算段もすべて担当しているため,ほとんど,秘書業務・事務業務的な仕事になっています。大槻としては,本来と異なる点をお願いしていることになっていて,心苦しく思う部分も大きいのも事実です。

さて,このような状況の中で,現在8年目の事務局になっています。
会員皆様と関係がありますのは,会員管理と会計管理です。勿論,事務局と会計担当が同一のところですと透明性が損なわれる危惧がありますので,会計については,こちらで事務局を担当し始めた頃は,現在理事長の吉田先生が会計担当理事として,旭川医大の健康科学教室でご担当いただいていました。また,2013年10月以降は,国立医薬品食品衛生研究所の斎藤先生が会見担当をなさっていて,協調してことにあたっています。

毎年,3月に会費の振込用紙を送付しておりますので,そこで会員の皆様とは繋がっているのだと思います。また,例年,10月くらいには名簿を作製して,ID/PWで管理された日本免疫毒性学会WEBに掲載しているのですが,秋半ばの頃には,その時点でのご所属や連絡先など,またその時点での会費納入状況などをご確認いただく連絡をさせていただいています。また,学術年会の際には,受付に一つデスクを設けていただいて,会期中,常駐するようにしております。新規入会の受付,ならびに会費の納入もその場で対応するようにしております。

さらに会員の皆様とのつながりでいいますと,不定期ですがメーリングリストによる情報配信と,WEBの更新についても事務局の仕事としています。メーリングリストについては,大槻が広報委員会の長を務めていることもあって,このあたりは境が若干曖昧になっていますことご了解ください。現在,メーリングリストは川崎医科大学の情報システム室のサーバーで管理していただいておりますので,【JSIT:XXX】というメールが届いていますが,アドレスは [email protected] というもので,川崎医科大学であることがお分かりかと思います。昨今の学会関係のEメールでの会員への連絡は,配信専用のメールマガジン形式であることが多いのですが,現在の日本免疫毒性学会のメーリングリストについては,登録されているどなたからでも(基本,会員の皆様ですが)配信も可能にしております。実際,今も,学術年会の事務局からの配信が届いていることと存じます。会員規模が200人台前半ということで,こういった方針にしております。ただ,大槻も失敗してしまったことがありますが,時に,事務局や大槻への連絡をこのメーリングリストへの返信で,お届けになられる先生,あるいは大槻がこのメールアドレスに個人的な連絡をセットしてしまうことがありました。現在は,これは事務局ならびに大槻の方で,管理者としてチェックすることを徹底しておりますので,今後,誤送信でご迷惑をお掛けすることは無いと思っております。ご理解いただけます様にお願いいたします。

日本免疫毒性学会WEB http://www.immunotox.org/ につきましては,業者に委託をしており,会員の皆様,あるいは理事会・運営委員会などで情報更新が必要になった場合に,事務局を介してWEBの更新を業者に依頼している状況です。しっかりした業者さんなので,更新も迅速に行っていただいていますので,こういった面で会員の皆様にご不便はかけていないかな,とは思っておりますが,特に学術年会の後は,バタバタです。WEBの学術年会のところをご覧いただければよいかと存じますが,マイクのマークのところに,全ての演題についてタイトルと発表者,ご所属を掲載させていただいております。メモ帳マークのところには,ポスターと抄録集の表紙を載せています(ちなみに,事務局を担当した際に,WEB担当の業者さんを変更して,こういったスタイルにしたのですが,その時に,澤田先生が全ての学術年会(発足当時の研究会の頃から)のポスターも保管されていたので,1回目から現在のWEBに掲載できています。振り返って懐かしんでいただければ幸いです)。そして,第11回以降はカメラマークがありまして,学術年会のスナップショットを掲載しております。こちらも懐かしんでいただければ幸いと思っております。年会終了後は,なんとか9月一杯にこれらを掲載するようにしたいと思っており,WEB管理の業者さんにも無理を言いながらで構築していっています。

さらに,ImmunoTox Letterも第1号からすべてPDF版としてアップしておりますし,内容を分割して,テーマあるいはカテゴリー事にHTML版で,見ていただけるようにしています。学会賞や奨励賞,学術年会の年会賞などの受賞後のご寄稿や,免疫毒性試験ガイダンスや,免疫毒性研究の若い力といったカテゴリー別に,一つ一つをWEBでご覧いただけるようにもしておりますので,是非,お楽しみいただければ嬉しく思います。

昨今では,国際交流が深まってきています米国 Society of Toxicology(SOT)のITSS: Immunotoxicology Specialty SectionのNewsletter も関連情報としてアップさせていただいたりしております。エッセイ欄が少し滞っているのが反省点でもあるのですが,現在,この投稿を掲載してくださっている ImmunoTox Letter自体が,野原学術・編集委員長のご尽力で,エッセイ的な部分も含めて,充実してきていますので,WEBのみ掲載のエッセイについては,ちょっと休止状況です(と,これを書いていて,今度,野原委員長とご相談させていただいて,ImmunoTox Letterの掲載記事の中の会員のエッセイ的な部分は,WEBのエッセイ欄にも掲載させていただいてもいいかなと思いつきました。また,充実させていきますね)。

こういった辺りが,会員の皆様への事務局が担当しているサービス業務になっています。
それ以外に,日本免疫毒性学会はご存知のように年1回の学術年会があり,多くはその会期の前日に理事会が設けられます。そして,12月,4月,7月には運営委員会が設けられています。事務局はそれぞれの会議の日程調整,会場確保,資料の収集と管理,旅費の配布などを受け持っております。

さらに,学会賞。奨励賞の募集開始や受付終了し,学術・編集委員会内の選考小委員会への情報提供,毎年,夏には,評議員推薦の応募と取りまとめ,そして,3年に一度の役員改選にあたっての事務連絡と受付業務その他,こういったことを担当しております。
そして,冒頭でも触れましたが,秋には会員情報の更新に関連する連絡,名簿作製,そして会費納入についての徹底などを受け持ちつつ,国際化委員会と協調して,毎年3月に開催されますSOTでの日本免疫毒性学会とITSSの国際交流企画セッションなどがある場合には,日本免疫毒性学会から派遣される先生との調整などなとも対応するようにしています。
そうそう,2012年3月のSOTの50回記念Annual Meeting では,日本免疫毒性学会としてそのPRにブース出展もしました。その場で,ポスター展示などに加えて,大槻が作り,2006年の第13あるいは17回年会の懇親会などで披露させていただきました非公式日本免疫毒性学会主題歌のCDをドネーションの元で配布したり,日本免疫毒性学会グッズ(ボールペンやマグネットなど)の提供をしました。また,2015年3月のSOTでは,Global Galley で日本免疫毒性学会のポスターを展示の上,川崎医科大学衛生学の教室員(西村准教授と李助教)が担当者として(すみません,大槻は会期が重なる日本衛生学会のためにSOTに参加できませんでしたので)ポスター脇で立つ仕事もしてくれました。
川崎医科大学は,TOYOTAさんやHONDAさんと一緒で,創設者のお名前が大学名になっていますので,神奈川県ではなく岡山県倉敷市にあります。西のフルーツ王国(清水白桃やマスカットなど)であり,「晴れの国・岡山」(年間雨天日数が1~2位を争うくらい少ない)ですが,大学は岡山市と倉敷市の間くらいで,岡山駅から山陽本線(兼:伯備線)で西へ3駅目です。JR線路から大学が間近に見ていただけますし,反対側には山陽自動車道があって,特に西から向かってこられる場合には,大学の建物もきれいにご覧いただけます。低めの山並みを北へ超えると桃太郎伝説に関連の深い鬼ノ城とか矢喰神社,血吸神社など,そして備中国分寺の五重塔がシンボルになっている吉備路が広がっています。さらに足を少しだけ北に伸ばしていただけますと緒方洪庵生誕の地である岡山市足守地区もあります。

大学も40余年前に設立された頃は,本当に田畑しか広がっていない田園風景の中でした。その後,学校法人川崎学園として川崎医療福祉大学,川崎医療短期大学なども整備され,学生街といった様相で24時間営業のスーパーや沢山の美容室,コンビニ,飲食店などが密集している地帯に変貌してきていますが,それでも,大槻の居室の窓からは田圃が広がっていて,田植え~夏の緑~稲穂の黄金色~収穫の作業などが季節の移ろいとして見えています。
このような土地から,日本免疫毒性学会会員の皆様には,学会事務作業が滞らないようにと,そしてどこかで本学会の持つ真摯で積極的で活発な研究学術姿勢に,爽やかな涼風をお届けしたいと努力しております。

倉敷で第13回の年会をさせていただいてもう10年以上経ちました。今度は観光で是非お越しください。